さすがのピラミッドビューホテルギザのピラミッドとカイロ市内を結ぶメインストリートは アフラーム通り(Ahram St)と呼ばれる。地下鉄ギザ駅から直線で西に10キロ 程伸び当地区で途切れるロケーションだ。道路幅も広く雑居ビルが乱立し住民も 数多いが、外国人からすれば3大ピラミッド観光への交通路、という意味合いのほうが 大きいだろう。現地人やタクシーは通名でこう呼んでいる。その名も『ピラミッド通り』当ホテルはこのピラミッド通りと並走し1本北に寄った ファイサル通り(Faisal St)の 西の切れ目に建っている。ギザのピラミッドを観光するにあたり、立地は最高級と云えるだろう。 ホテルからはピラミッド地区まで徒歩で行けるくらいの距離、およそ400〜500m くらいか。11階建てで客室は全140室あり、うちピラミッドビュー部屋は120室ある。 ホテル側は景観の良い上層階から片っ端から埋めていくようで、 私の場合は最高階の10階の部屋を宛がってくれた。 |
日本に居た時、ネットのホテルレビューサイトを窺うところ 散々な評価の当ホテルであったが、これが実際噂通りのヘッポコホテルなのである。 まずエレベーターが動かない。フロント正面から近い場所にエレベーターが2つ並ぶが、 これは 配線の調子が悪いのか高確率で作動しない。2〜3日後にして分かったのだが正面左に逸れた 通路の奥に茶色の扉がある。これがもう1つのエレベーターらしく、 こちらは問題なく動いてくれる。ちと、位置がわかりづらいのだが この件は当座解決する。 さて、問題の誰もが書き込む事項(表通りの騒音クラクション)についてだが、 これはやはり五月蝿い。これは、ホテル側の責任よりもカイロの交通事情も思慮したコメント でなければならないだろう。いわゆる、カイロにはほぼ信号機というモノが存在しない。 なので、通りはいつも大渋滞 、またファイサル通りは屈指の大通りにも係わらず車線が明示されていない。 従ってドライバーはそれぞれの意思をクラクションで伝達することが多いようだ。 結果、五月蝿いのは当然ということに成ってしまう。 概ね大通りに面するような中流クラスのホテルであれば、カイロという土地柄を 考えれば同じような事象を抱えているのかもしれない。 だが、こちらとしては やはりたまったものではない。耳栓は必須ということになるだろう。ただ、現地時間の深夜12時 を過ぎれば通りの車量もめっきり減り驚くほど静かになり 、就寝時に騒音で起こされるような事はなくなる。 |
大方は目を瞑って笑って許せる範囲であるが、ただ1つ「このシャワー
の水量は何とかならんもんか!?」 蛇口を捻って落胆、ジョボジョボジョボ〜、雨粒
が形成される前に一筋に収束してしまうくらいの水量だ。
頭から浴びると、そう寂びれた山寺の滝修行
のような気分だ。これは水であろうとお湯であろうとこの調子である。 観光で疲れて帰ってきた 挙句に、汗と埃や砂でまみれた身体をサッパリとさせたい 時に、又は私の場合は別としても、 綺麗好きな女性であれば1日2〜3回もシャワーを浴びたくなることも ありえるだろう。そこにこのシャワーだとなかなか辛い。 上層階ゆえに水圧が低い為のこともでもあるのかもしれない。 低層階に部屋を替えてもらうことも可能であるが、その分、景観も変わるだろうし、 道路面に近づく為に騒音も大きくなるに違いない。ここら辺の兼ね合いは難しい。 屋上の絶景ただ、設備自体の古さに対してでもホテル側にも 多大なる努力が見られ、旅人をもてなそうという 姿勢や温かみはひしひしと感じることができた。 到着初日に受付のボーイは満面の笑みを浮かべ言う。『地球の裏側からよく来たなwelcomeだ。 車の手配でも何でも俺に頼みな!建物は古いがネットもできるし屋上にはプールもあるぜ。 ゆっくりとエジプトの旅を楽しんでくれよ。』 実際、このボーイには本当に後々まで 頼りっぱなしになる。という訳で早速、屋上にのぼってみた。 入り口の木製観音扉を開け放つと、 そこには絶景という言葉でしか形容できないような光景があった。 ピラミッド通りには☆が5つも6つも並ぶラグジュアリーホテルが 我がもの顔でそびえ建っているが、本通りから少し離れたこのホテルからの眺めもまた いいものだ。遠視であるがゆえクフ王とカフラー王が仲良く綺麗に並んで 見える好ロケーションスポットでもある。 |
屋上は綺麗に椅子とテーブルが並べられ食事や アルコールを含めた飲み物もとることもできる。 少し奥に入るとシャンデリアの掲げられたルーフ付きの宴会場 もあり華やかな印象だ。対側には小さなプールもあり、くつろげる背もたれ付き リクライニングチェアーが並んでいる。また、館内には小さな みやげ物屋もあるし、付近には日本円の対応した両替屋やレストラン もあり比較的長期の滞在でも飽きないだろう。 |